この対談について
乳酸菌の力を知っていたら人生は違っていたかも…
只野:前回は、内野先生ご自身が抱えていた腸のトラブルについて伺いました。その後、おなかの具合はいかがですか?
内野:おかげさまで、“ゆる便”も解消して快腸です。EF-2001乳酸菌は、ぼくのおなかに元もと棲みついている腸内細菌と相性がよかったのでしょうね。それと、1包に1兆個も含まれているので、一度にとれる乳酸菌の数が多い。そのことも、改善につながったのかもしれませんね。
只野:患者さんに乳酸菌のことを説明するときも、自分でお使いになっていると説得力があるでしょう?
内野:ええ。いろんな乳酸菌を試して、そのなかでいちばんよかったのがEF-2001乳酸菌だったし、研究データがしっかりしているので信頼できますからね。
只野:内野先生は、得意のお笑いで、患者さんの気持も和ませるワザをもっていらっしゃる。先生に診てもらった患者さんは、乳酸菌と笑いのダブル効果で、免疫力も高くなっているかもしれませんね。
内野:はい、それを期待しています!
只野:ところで、内野先生はスポーツドクターとして、アスリートの方も診ていらっしゃるそうですね。
リオ五輪の選手なども?
内野:残念ながら、今回、その機会はなかったですね。
只野:先生ご自身は何かスポーツを?
内野:ええ、高校時代にはラグビー、大学時代はアメフトをやっていました。
只野:ほぉ〜、“五郎丸”ですか。
内野:いやぁ〜、なにせ医療系学部限定の医歯薬リーグですから……。それでも、帝京大学医療系学部アメフト部は、20チームが参加するなかで、総合優勝1回、ブロック優勝2回という成績をおさめました。
只野:すごいじゃないですか。
内野:高校時代はラグビーをやっていたのですが当時は今のような人気スポーツじゃなかったから部員数も少なくて、15人でやるゲームなのに、うちは16人。1人欠場していたら、ゲーム中にケガをしても退場できない。多少の痛みはがまんしてゲームを続けていましたね(笑)
只野:私もスキーであばら(肋骨)を2本折りましたけど、先輩には「ケガに慣れろ」といわれていた(笑)。
内野:アメフト部の部室には、「痛いッ、もう1本」という張り紙がありました。
只野:何ですか、その標語は?
内野:筋肉が痛くなったあとの1回が筋力アップにつながるという意味です。でも、ぼく自身のケガ体験は悪いことばかりでもないんですよ。
只野:どうしてですか?
内野:「先生には、この痛みはわからないですよね」と患者さんからいわれたとき、「ぼくは鼻を折って、歯を折って、目の下骨折して、鎖骨もあばらも折って、アキレス腱も2本切ってます。2週間くらい寝たきりで、おちんちんに管を入れてオシッコを出したこともあったから痛みの辛さはわかる」とお話すると、納得してくれますから(笑)。
只野:それは、呆気にとられているのかも(笑)。花粉症もひどかったそうですが、涙と鼻水でグシャグシャになりながら、試合に出ていたのですか?
内野:はい、もちろん。もし、当時から乳酸菌をとっていたら、ぼくだって、“五郎丸”も夢ではなかったかもしれない。そう思うと、ちょっとくやしいですね(笑)。
脳の健康維持は運動・噛む・おしゃべりで
只野:スポーツといえば、運動は脳の健康に非常に重要だという研究報告がいろいろ出ているようですね。
内野:脳の健康といっても、発達障害の人もいれば、うつやパニック障害の人もいて、原因は一様ではありませんが、食べ物や生活スタイルも関係していると思います。
只野:認知症も?
内野:もちろん。認知症では、記憶を司る脳の海馬という部分が小さくなり、神経細胞は復活しないと思われていたのですが、最近の研究で新説もでています。
只野:ほぉ、どんな説ですか?
内野:海馬の入り口に歯状回(しじょうかい)というところがあって、そこの組織が、あることをすることで活性化されて再生することがわかってきました。
只野:それは、ウォーキングや軽いジョギングですね。
内野:はい。気持ちがいい程度、うっすらと汗がにじむ程度で、時間にして20分ぐらいの有酸素運動で十分です。 ほかにも運動方法があって、ひとつはよく噛むこと。噛むことで顔の筋肉を使いますし、脳に刺激が与えられて神経細胞の再生に役立ちます。もうひとつは会話。しゃべるときに顔の筋肉を使いますし、相手がいることなので、その場の空気を読みながら話をします。そのとき、脳はフル回転しているので、脳の血液循環もよくなる。ただ、会話の相手は、同性より異性のほうがよいといわれていますが。
只野:心がワクワクしますからね。
内野:ええ。デイサービスやグループホームも、男女混合のほうが認知機能の改善率が高いそうです。異性がいると、自分の見た目をよくしたいと思うので、いろんな努力をする。でも、認知症になると、自分の外見を気にしなくなっちゃうんですよ。
只野:そうならないためにも運動習慣は早いうちから身につけたい。筋力がないと歩くこともできなくなりますから、筋肉をつける筋トレも必要ですね。
スロージョギングと乳酸菌で研究生活に打ち込む
只野:ところで、運動をすると、認知症予防に効果のある物質が脳内に作られるそうですね?
内野:はい、BDNF(脳由来神経栄養因子)というタンパク質が分泌されます。これは記憶に関わる海馬という部分に多く含まれていて、BDNFが増えると、記憶能力や学習能力が高まります。ほかにも、うつや不安障害、発達障害などの精神疾患にも関わっています。だけど、このタンパク質は年齢とともに減ってしまう。肥満や筋力低下予防というだけではなく、脳の健康維持のためにも、中高年からの運動習慣は絶対に必要だと思いますね。
只野:福岡大学の田中宏暁(ひろあき)教授は、運動のなかではスロージョギングが非常に効果的だということをおっしゃっていますね。
内野:スロージョギングですか?
只野:はい、時速5〜6キロのスピードで走る。一般的に、歩くスピードは時速4キロくらいですから、それより少し速めのスピードで走ると、快楽ホルモンのテトラヒドロカンナビノールなどの生理活性物質が脳内に分泌される。意外なことに、速く走るほど分泌量は減ってしまうそうです。
内野:ウォーキングより、筋肉もつきそうですね。
只野:ええ、筋肉量はウォーキングの2倍も増えるといいます。じつは私も実践しているのですが、早足で歩いている人の後ろについて、トントントンという感じで走っているうちに、コツがつかめるようになります。ただし、これは見ず知らずの異性の後ろについて走っちゃだめですよ、ストーカーだと思われますから(笑)。
内野:先生は毎日どのくらい走るのですか?
只野:1時間くらいですね。でも、ぜんぜん疲れない。走ったあとに必ずEF-2001をとっているので、腸内環境が整って免疫力も上がり、疲れもとれやすい。忙しいときは休日を返上して、全国各地を飛び回っていますけど、風邪も引きません。脳と腸は互いに影響しあって活動しているので、私にとってスロージョギングと乳酸菌は、研究生活を続けていくためにも欠かせない習慣です。
ストレスがかかりやすいときは乳酸菌とオヤジギャグを!
内野:野先生は何年も前からEF-2001の研究をなさっていますが、最近は、どのようなテーマに取り組んでいらっしゃるのですか?
只野:アスリートの便と腸内環境の関係を調べようと思い、準備を進めているところです。
内野:オリンピック選手とか?
只野:いえ、2部リーグのサッカー選手たちです。1部リーグへの昇格がかかっているので、それが精神的なストレスになって、試合の前には不安や緊張でおなかの調子が悪くなり、下痢をする選手もいる。ストレスで腸内環境が悪くなっているのだと思いますが、そのときの便の状態を調べ、EF-2001乳酸菌を継続的にとってもらい、便や腸の状態を追跡調査したいと考えています。
内野:緊張状態におかれると、体はアルカリ性に傾く。すると、腸内は悪玉菌が優勢の環境になりますから、ますますストレスに対して弱くなる。
理論的には、競技前に乳酸菌をとって体を酸性に傾けておけば、悪玉菌も増えないわけですから、緊張でストレスがかかっても、腸の状態だって極端に悪くならない。
競技中に、「うッ、ト、ト、トイレに行きた〜い」と冷や汗をかくこともなくなって、試合の結果もよくなるかもしれない(笑)。
只野:私もそうなることを期待しています。
内野:じつは、ぼくも診療に直結する課題を抱えていて、たとえば、10代で発症しやすい摂食障害も、ストレスが引き金になるといわれています。
まあ、摂食障害の場合は、親のいうことをよくきく真面目な優等生タイプの女の子に多いのですが、腸内環境を整えると、摂食障害が改善するかもしれませんね。
只野:若いほど腸内環境はしっかりしているので、継続的に乳酸菌をとっていれば、何かしらの効果は期待できるでしょうね。
内野:適度なストレスは必要ですが、かかり過ぎるのは絶対によくない。
只野:ストレスという観点で乳酸菌の効用について考えると、災害被災地の人、自衛隊や警察など救援の人たちにもとってもらいたいですね。被災地では通常の食事が長期間とれなくなりますから、それだけでも悪玉菌を増やす原因になります。そのうえ、さらにストレスがかかるのですから、腸内環境は相当に乱れてしまうはずです。
内野:配給のおにぎりやお弁当に、糠床で漬けた、乳酸菌いっぱいの漬け物が入っていればいいのですが、現実的には難しい。日本は地震も水害も多いし、非常食や救援物資には乳酸菌やビタミン剤などのサプリメントを用意すべきでしょうね。
只野:内野先生、もうひとつ大事なことを忘れていませんか?
内野:そうそう、災害時こそ、笑いがほしい。ワッハッハと作り笑いしているだけでも免疫力を上げる効果がありますから。
只野:私もいざというときは、オヤジギャグを連発することにします。